2026年9月12日 · 応用編 · 約8分

Shadowrocketの通信量統計の見方|サーバー別・アプリ別の数値を解説

Data画面のアップロード・ダウンロード量を項目ごとに解説。サーバー別・アプリ別の集計範囲や、サービス提供元の管理画面と数値が異なる主な原因も紹介します。

この記事の要点

この記事は、利用中のサービス提供元の設定情報があり、通信量の内訳を確認したい方に向けた内容です。まず累計データ量とリアルタイム速度を区別し、サーバー別・アプリ別に増加量を確認したうえで、同じ時間帯の管理画面の数値と比較します。Dataに表示されるのはクライアントが記録した通信量であり、プランの残量でも、端末全体の通信量でもありません。

1. Dataのアップロード・ダウンロードと累計値の意味

ShadowrocketのDataでは、クライアントが記録した通信量を確認できます。アップロードとダウンロードは端末側から見た方向です。端末から外部へ送るデータがアップロード、外部から端末へ届くデータがダウンロードです。Webページを開くときもリクエストや確認情報などを送信するため、「閲覧しただけ」でもアップロード量がゼロになるとは限りません。写真をアップロードする場合も、サーバーから応答を受信します。

数値は必ず単位とあわせて確認してください。MBやGBはデータ量、KB/sやMB/sは単位時間あたりの転送速度です。接続がオンでも、毎秒データが転送されるとは限りません。短時間、速度がゼロになっても、それだけで接続異常とは判断できません。項目や分類、記録の保持方法は、端末に表示される実際の画面で確認してください。

通信量の項目を確認するときの順序
数値の種類わかることその数値だけでは判断できないこと
Upload / アップロード端末から外部へ送信したデータ量ユーザーが手動でアップロードしたファイルの正味サイズ
Download / ダウンロード外部から端末へ受信したデータ量写真アプリやファイルに最終的に保存されたサイズ
Total / 合計対象範囲内のアップロード量とダウンロード量の合計サービス提供元のプラン残量
/sが付く数値現在の測定時間内における転送速度今月の累計使用量

すべての数値が毎月1日からの累計とは限らず、接続を切ると必ずゼロになるとも限りません。まず、表示値が接続中のデータなのか、保持される累計記録なのかを確認してください。開始時点が画面に明記されていない場合は、合計値から集計期間を推測せず、テスト前後の差分を使います。

2. サーバー別の記録は接続先を示すもので、アカウント全体の集計ではない

サーバー別の表示では、「この時間帯にどのサーバー項目でデータが発生したか」を確認できます。サービス提供元のアカウントとは集計単位が異なります。同じアカウントを複数の端末で使う場合や、複数のサーバーアドレスが割り当てられている場合もあります。端末上の記録は、クライアントが観測・分類できる範囲に限られます。同じ名前の項目でも接続先が同一とは限らないため、アドレス、ポート、プロトコルも確認してください。

リクエスト発生 ルール判定 出力先の選択 データ転送 統計への分類

Home → Global Routingで現在のモードを確認します。Proxyはプロキシ経由、Directは直接接続、Configは設定ルールに応じた振り分けです。Sceneを使用している場合は、現在のSceneで実際にどの処理が適用されているかも確認してください。該当するプロキシ経由で送信された通信だけが、そのサーバーの使用量との比較対象です。端末上のすべてのネットワーク通信を、選択中のサーバーの通信量として扱うことはできません。

  1. Homeで現在選択中のサーバーを確認し、表示名だけでなくアドレス、ポート、プロトコルも記録します。
  2. Dataに表示されるサーバー別のアップロード・ダウンロードの開始値を記録します。テスト中は同じ出力先を使用し、サーバーやルールを切り替えないでください。
  3. 内容が明確な操作を一度行い、終了時の数値を記録します。終了値から開始値を引いて増加量を計算してください。
  4. サーバーの数値が増えているのに特定のWebページの通信がそのサーバーを経由していない場合は、ほかのバックグラウンド通信を確認します。Webページを表示できてもサーバーの数値が増えない場合は、まずDirectに振り分けられていないか確認してください。

たとえばConfigのDOMAIN-SUFFIX,example.com,DIRECTは、該当するドメイン末尾のリクエストをDirectに振り分けます。一方、FINAL,PROXYはそれ以前のルールに一致しないリクエストを処理します。ここで示したドメインは構文の例であり、実際の設定に追加する必要はありません。統計値を増やすために、既存のルールをむやみに削除しないでください。

3. アプリ別に確認する:通信の帰属先を確かめる

「アプリ別」は通信の発生元、「サーバー別」は出力先を確認する表示です。同じ通信を異なる視点から見ているため、両方の合計を足すことはできません。また、プラットフォーム上の制約にも注意が必要です。iPhone/iPadのシステムネットワーク拡張では、すべての接続をアプリ名に直接ひも付けられるとは限りません。ドメイン名や接続の分類を、正確なアプリ別明細とみなさないでください。

現在のData画面にアプリ関連の分類がある場合は、分類名と表示される情報を確認してください。サーバーや接続の記録しか表示されない場合は、アプリを一つずつ使ってテストします。画面にあるとは限らない固定メニューを探す必要はありません。一つのアプリが複数のドメインに接続することも、複数のアプリが同じコンテンツ配信ドメインを利用することもあるため、ドメイン名だけで通信元を確定することはできません。

サーバー別に確認

確認対象
実際に使用したサーバー項目
識別に使う情報
アドレス、ポート、プロトコル、出力先の選択
テスト条件
サーバーとGlobal Routingのモードを固定
確認できること
どの出力先で通信が発生したか

同じアプリのリクエストでも、ルールによって異なる出力先に振り分けられる場合があります。

アプリの操作内容から確認

確認対象
内容が明確な前面操作を一度実行
識別に使う情報
操作時刻、接続記録、数値の増加
テスト条件
ほかのダウンロードとバックグラウンド同期を一時停止
確認できること
どの操作で通信量が増えたか

アプリを特定できない通信は、無理に割り当てず「未分類」のままにします。

実際に確認するときは、動画再生、クラウド同期、ほかのダウンロードを停止し、1分間のアイドル時の増加量を記録します。その後、アプリを一つだけ開いて操作を一度実行してください。同じ操作をもう一度行ったときに増加量が大きく減る場合は、統計の異常と判断する前に、まずローカルキャッシュを確認します。アプリの先読みやバックグラウンド処理がテストに含まれる場合もあります。この方法は通信元の特定に役立ちますが、正確な請求額の算出には使えません。

4. テスト前後の数値から今回の通信量を計算する

以下は計算例であり、製品での実測値ではありません。テストの前後で同じMB単位が使われ、記録の消去、サーバーの切り替え、集計範囲の変更がなかったと仮定します。差分を使えば、それ以前の累計データの影響を除けます。管理画面の数値が更新された後に照合できるよう、テスト時刻もあわせて記録してください。

例:10:00〜10:05の同じサーバーの記録
項目10:00の開始値10:05の終了値今回の増加量
アップロード12 MB15 MB3 MB
ダウンロード240 MB300 MB60 MB
アップロードとダウンロードの合計252 MB315 MB63 MB

今回の合計は(15 - 12) + (300 - 240) = 63 MBです。終了時の315 MBを今回の通信量として扱うことはできません。表示単位のまま計算すると、5分間の平均ダウンロード速度は60 ÷ 300 = 0.2 MB/sです。これは観測時間全体の平均であり、転送中のピーク速度でも回線の最高速度でもありません。

ポイント:照合は増加量を比較し、単位をそろえる

クライアントと管理画面の両方で、まず同じ時間帯の差分を求め、その後に単位と課金ルールを確認してください。累計値同士を比較して数値が近くても、集計範囲が同じとは限りません。

単位の換算も差が生じる原因です。10進法の1 GBは1,000,000,000バイト、2進法の1 GiBは1,073,741,824バイトです。同じバイト数でも、単位の違いによって表示値は変わります。ページにGBとのみ記載され、定義がない場合は、換算方法を決めつけず、関連する説明を確認するか、利用中のサービス提供元に問い合わせてください。

5. Dataとサービス提供元の管理画面で通信量が異なる理由

クライアントとサービス提供元では、ネットワーク経路上の異なる地点で通信量を計測している場合があります。通信データはプロトコルでカプセル化されるため、接続の確立や暗号化レコードなどの付加データも発生します。再送を計上するか、どの層で計測するかも計測地点によって異なります。どの差にも当てはまる一定の割合はなく、差分をそのまま異常な通信量とみなすこともできません。

たとえば、今回のクライアント側の増加量がアップロード3 MB、ダウンロード60 MBで、少し後に管理画面が63 MB増えていれば、この時間帯では送受信の合計と一致しています。管理画面が126 MB増えている場合は、明記された2倍の課金ルールがあるか、ほかの端末で通信していないかをまず確認してください。この例は確認手順を示すものであり、実際のサービスの課金方式を断定するものではありません。

6. 数値に異常があるときの確認手順

まず集計範囲とテスト条件を確認し、その後で接続と設定を確認します。サブスクリプションを更新するとサーバー項目や設定値が変わる場合があります。照合作業中にサブスクリプションの更新、プロトコルの切り替え、ルールの変更を同時に行わないでください。一度に変更する条件を一つに絞れば、数値の変化がどの操作によるものか判断しやすくなります。

「アプリを開いていないのに、通信量が増えるのはなぜ?」

まずクラウド同期、メディア再生、自動ダウンロードを一時停止し、1分間のアイドル時の増加量を記録してください。次にSettings → On Demandで接続を開始する条件を確認します。On Demandは条件に応じて接続を開始する機能ですが、通信のすべてがOn Demand自体によって発生するわけではありません。バックグラウンド処理、通知、既存の接続でもデータが転送される場合があります。

「Webページは開けるのに、サーバーの数値が増えないのはなぜ?」

まずHome → Global Routingで現在のモードを確認し、次にConfigで該当するリクエストに適用されたルールと出力先を確認します。Directに振り分けられている、ブラウザがローカルキャッシュを使っている、別のサーバー項目を確認している、といった理由で対象サーバーの数値が増えない場合があります。

「Dataの数値が急に小さくなりました。通信量が戻ったのでしょうか?」

まずグループ、サーバー、集計範囲を切り替えていないか確認し、記録を消去していないか振り返ってください。クライアントの表示値が小さくなっても、サービス提供元の残量が変わったことを意味するわけではありません。プランの残量は、利用中のサービス提供元の管理画面で別途確認してください。

「アプリ別の数値を合計しても、サーバーの合計と一致しないのはなぜ?」

まず両方の時間帯が一致しているか確認し、未分類の通信、Direct経由の通信、バックグラウンド処理を確認してください。アプリを確実に特定できない通信を、差額として特定のアプリに割り当てないでください。代わりに、アプリを一つだけ使った操作の前後で増加量を比較し、最も大きく増えた通信元を特定します。

  1. サーバーとGlobal Routingのモードを一つずつ固定し、開始値と時刻を記録します。
  2. ほかの明らかなネットワーク通信を一時停止し、繰り返し可能な前面操作を一度実行します。
  3. 終了値を記録し、アップロード、ダウンロード、合計の増加量をそれぞれ計算します。
  4. サービス提供元の管理画面に今回の通信量が反映されるまで待ち、同じ時間帯、同じアカウント範囲、同じ単位で比較します。
  5. 差が残る場合は、情報を伏せた記録を添えて、利用中のサービス提供元に計上する通信方向、倍率、統計の更新間隔を確認してください。

Dataで確認するのに適しているのは、「通信量がいつ、どれだけ増えたか」「主にどの出力先を経由したか」です。アプリの正確な識別やアカウントの課金を確認する際は、実際の画面に表示される情報と管理画面のルールを照らし合わせてください。一つの数値を端末全体の通信量や最終的な請求額とみなすことはできません。

App Storeで正規アプリを確認する